○春日井市犯罪被害者等支援条例
令和6年3月21日
条例第7号
(目的)
第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)に基づき、犯罪被害者等支援について、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等支援の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等支援のための施策を総合的に推進し、もって犯罪被害者等の権利利益の保護、受けた被害の回復又は軽減及び生活の再建を図り、犯罪被害者等を支える社会意識の形成を促進し、市民が安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
(2) 犯罪被害者等 犯罪等により被害を受けた者及びその家族又は遺族をいう。
(3) 犯罪被害者等支援 犯罪被害者等の受けた被害を回復し、又は軽減し、及び生活の再建を図り、安全に安心して暮らすことができるようにするための取組をいう。
(4) 二次被害 犯罪被害者等が犯罪等による直接的な被害を受けた後に、加害者及びその関係者の不誠実な言動、周囲の者の理解又は配慮に欠ける言動、インターネットを通じて行われる誹謗中傷、過剰な取材等により犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、身体の不調、名誉の毀損、生活の平穏の侵害、経済的な損失その他の被害をいう。
(5) 再被害 犯罪被害者等が当該犯罪等の加害者から再び犯罪等により受ける被害をいう。
(6) 関係機関等 国、県、警察その他の公的機関、犯罪被害者等支援を行う民間団体その他の犯罪被害者等支援に関係するものをいう。
(基本理念)
第3条 犯罪被害者等は、個人としての尊厳を尊重され、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。
2 犯罪被害者等支援は、犯罪被害者等が受けた被害の状況及び原因、二次被害の有無等の犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じ、適切に行われるとともに、二次被害及び再被害を生じさせることのないよう十分配慮して推進されなければならない。
3 犯罪被害者等支援は、犯罪被害者等が社会において孤立することなく安全に安心して暮らすことができるよう、必要な支援が途切れることなく提供されるよう行われなければならない。
4 犯罪被害者等支援は、市及び関係機関等の相互の連携及び協力の下に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、犯罪被害者等支援に関する施策を策定し、関係機関等との連携並びに市民及び事業者の協力の下、実施するものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の尊厳、その置かれている状況及び支援の必要性についての理解を深め、二次被害が生ずることのないよう努めるとともに、犯罪被害者等を孤立させないよう努めなければならない。
2 市民は、市が実施する犯罪被害者等支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の尊厳、その置かれている状況及び支援の必要性についての理解を深め、二次被害が生ずることのないよう努めるとともに、犯罪被害者等を孤立させないよう努めなければならない。
2 事業者は、雇用する者が犯罪被害者等となった場合、当該者がその被害に係る法的な手続及び捜査に適切に関与し、並びに被害を回復し、又は軽減するために必要な行為ができるよう、その就労及び勤務について、十分に配慮するよう努めなければならない。
3 事業者は、市が実施する犯罪被害者等支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(総合支援窓口の設置)
第7条 市は、犯罪被害者等支援を総合的に実施するための窓口を設置するものとする。
(相談、情報の提供等)
第8条 市は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪被害者等が直面している多様な問題について、その相談に応じ、必要な情報を提供し、助言し、関係機関等との連絡調整を図る等の必要な支援を行うものとする。
(経済的負担の軽減等)
第9条 市は、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、必要な支援を行うものとする。
2 市は、犯罪等により日常生活を営むことについて支障がある犯罪被害者等に対し、日常生活に必要な支援を行うものとする。
3 市は、犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るとともに、二次被害及び再被害を受けることを防止するため、一時的な利用のための住居の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(広報及び啓発)
第10条 市は、犯罪被害者等が置かれている状況、二次被害の防止の重要性その他犯罪被害者等支援に関する事項について、市民及び事業者の理解を深めることができるよう、広報及び啓発を行うものとする。
(人材の育成)
第11条 市は、犯罪被害者等支援に従事する人材の育成を図るため、必要な施策を講ずるものとする。
(個人情報の管理)
第12条 市は、犯罪被害者等支援における個人情報の重要性を認識し、犯罪被害者等及びその関係者の個人情報を適切に管理しなければならない。
(意見の反映)
第13条 市は、犯罪被害者等支援に当たっては、犯罪被害者等その他市民からの意見を聴き、施策に反映させるよう努めるものとする。
附則
この条例は、令和6年4月1日から施行する。