○春日井市個人情報等保護条例
令和4年12月22日
条例第32号
春日井市個人情報保護条例(平成14年春日井市条例第41号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 個人情報の取扱い(第3条―第11条)
第3章 死者情報の取扱い(第12条―第21条)
第4章 雑則(第22条―第29条)
第5章 罰則(第30条―第32条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)の施行及び死者に関する情報の適正な取扱いの確保について必要な事項を定めることにより、市政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護するとともに、市政に対する信頼を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例における用語の意義は、この条例に定めるもののほか、法及び個人情報の保護に関する法律施行令(平成15年政令第507号)の例による。
(1) 実施機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び消防長をいう。
(2) 死者情報 死者に関する情報(当該情報が同時に生存する個人に関する情報である場合を除く。)であって、次のいずれかに該当するものをいう。
ア 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(春日井市情報公開条例(平成12年春日井市条例第40号)第2条第2号に規定する電磁的記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(死者識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の死者を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の死者を識別することができることとなるものを含む。)
イ 死者識別符号が含まれるもの
(3) 死者識別符号 次のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、実施機関が規則その他の規程(以下「規則等」という。)で定めるものをいう。
ア 特定の死者の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の死者を識別することができるもの
イ 死者にその生前提供された役務の利用若しくは死者にその生前販売された商品の購入に関し割り当てられ、又は死者にその生前発行されたカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受けた者を識別することができるもの
(4) 要配慮死者情報 本人(死者情報によって識別される特定の死者をいう。以下同じ。)の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして実施機関が規則等で定める記述等が含まれる死者情報をいう。
(5) 保有死者情報 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した死者情報であって、当該実施機関の職員が組織的に利用するものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、公文書(春日井市情報公開条例第2条第2号に規定する公文書をいう。以下この条において同じ。)に記録されているものに限る。
(6) 特定死者情報 個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号。以下この条において「番号法」という。)第2条第5項に規定する個人番号をいい、個人番号に対応し、当該個人番号に代わって用いられる番号、記号その他の符号であって、住民票コード以外のものを含む。)をその内容に含む死者情報をいう。
(7) 保有特定死者情報 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した特定死者情報であって、当該実施機関の職員が組織的に利用するものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、公文書に記録されているものに限る。
(8) 死者の情報提供等記録 番号法第23条第1項及び第2項(これらの規定を番号法第26条において準用する場合を含む。)に規定する記録に記録された特定死者情報をいう。
第2章 個人情報の取扱い
(個人情報ファイルの保有等に関する事前通知)
第3条 法第74条の規定は、実施機関が個人情報ファイルを保有しようとする場合について準用する。この場合において、同条第1項中「行政機関(会計検査院を除く。以下この条において同じ。)」とあるのは「実施機関」と、「当該行政機関の長は、あらかじめ、個人情報保護委員会」とあるのは「実施機関は、あらかじめ、市長」と、同条第3項中「行政機関の長」とあるのは「実施機関」と、「当該行政機関」とあるのは「当該実施機関」と、「個人情報保護委員会」とあるのは「市長」と読み替えるものとする。
(個人情報取扱事務の事前通知)
第4条 実施機関は、個人情報を取り扱う事務(法第75条に基づく個人情報ファイル簿の作成及び公表の対象となる個人情報ファイル以外の保有個人情報を含む情報を保有する事務をいう。以下「個人情報取扱事務」という。)を開始しようとするときは、あらかじめ、次に掲げる事項を市長に通知しなければならない。通知した事項を変更しようとするときも同様とする。
(1) 個人情報取扱事務の名称
(2) 個人情報取扱事務をつかさどる組織の名称
(3) 個人情報の利用目的
(4) 個人情報の対象者の範囲
(5) 個人情報の記録項目
(6) 個人情報に要配慮個人情報が含まれるときは、その旨
(7) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が規則等で定める事項
2 実施機関は、前項の規定により通知した個人情報取扱事務を廃止したときは、遅滞なく、その旨を市長に通知しなければならない。
3 市長は、第1項の規定による通知に係る事項を記載した資料を作成し、一般の閲覧に供しなければならない。
(開示請求書の記載事項)
第5条 実施機関は、開示請求書に、法第77条第1項各号に掲げる事項のほか、当該実施機関が規則等で定める事項を記載させることができる。
(開示情報)
第6条 法第78条第2項の規定により読み替えて適用される同条第1項の規定により開示することとされている情報として条例で定めるものは、春日井市情報公開条例第7条第2号エに掲げる情報(法第78条第1項各号(第2号を除く。)に該当するものを除く。)とする。
(開示決定等の期限)
第7条 実施機関が行う法第82条各項の規定による開示決定等についての法第83条第1項の規定の適用については、同項中「30日以内」とあるのは、「14日以内」とする。
(開示決定等の期限の特例)
第8条 実施機関が行う法第82条各項の規定による開示決定等についての法第84条の規定の適用については、同条中「60日以内」とあるのは、「44日以内」とする。
(開示請求に係る手数料及び費用負担)
第9条 法第89条第2項に規定する手数料の額は、無料とする。
2 法第87条第1項の規定に基づき写しの交付又は実施機関の定める方法により開示を受ける者は、当該写しの作成等及び送付に要する費用を負担しなければならない。
(訂正請求書の記載事項)
第10条 実施機関は、訂正請求書に、法第91条第1項各号に掲げる事項のほか、当該実施機関が規則等で定める事項を記載させることができる。
(利用停止請求書の記載事項)
第11条 実施機関は、利用停止請求書に、法第99条第1項各号に掲げる事項のほか、当該実施機関が規則等で定める事項を記載させることができる。
第3章 死者情報の取扱い
2 実施機関は、前項の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、死者情報を保有してはならない。
3 実施機関は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
(不適正な利用の禁止)
第13条 実施機関は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により死者情報を利用してはならない。
(適正な取得)
第14条 実施機関は、偽りその他不正の手段により死者情報を取得してはならない。
(正確性の確保)
第15条 実施機関は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有死者情報が過去又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。
(安全管理措置)
第16条 実施機関は、保有死者情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の保有死者情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
(1) 実施機関から死者情報の取扱いの委託を受けた者 当該委託を受けた業務
(2) 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。) 公の施設(同法第244条第1項に規定する公の施設をいう。)の管理の業務
(3) 前2号に掲げる者から当該各号に定める業務の委託(2以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者 当該委託を受けた業務
(利用及び提供の制限)
第18条 実施機関は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有死者情報(保有特定死者情報を除く。以下この条において同じ。)を自ら利用し、又は提供してはならない。
(1) 本人の生前の同意があるとき。
(2) 実施機関が法令の定める所掌事務又は業務の遂行に必要な限度で保有死者情報を内部で利用する場合であって、当該保有死者情報を利用することについて相当の理由があるとき。
(3) 他の実施機関、議会、行政機関、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人に保有死者情報を提供する場合において、保有死者情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る死者情報を利用し、かつ、当該死者情報を利用することについて相当の理由があるとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有死者情報を提供するときその他保有死者情報を提供することについて特別の理由があるとき。
3 前項の規定は、保有死者情報の利用又は提供を制限する法令の規定の適用を妨げるものではない。
4 実施機関は、市政に対する信頼の確保のため特に必要があると認めるときは、保有死者情報の利用目的以外の目的のための実施機関の内部における利用を特定の部等に限るものとする。
(保有特定死者情報の利用の制限)
第19条 実施機関は、利用目的以外の目的のために保有特定死者情報を自ら利用してはならない。
2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の生前の同意があるときは、利用目的以外の目的のために保有特定死者情報(死者の情報提供等記録を除く。以下この条において同じ。)を自ら利用することができる。ただし、保有特定死者情報を利用目的以外の目的のために自ら利用することによって、第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
(保有死者情報の提供を受ける者に対する措置要求)
第20条 実施機関は、利用目的のために又は第18条第2項第3号若しくは第4号の規定に基づき、保有死者情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、保有死者情報の提供を受ける者に対し、提供に係る死者情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の死者情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。
(死者情報取扱事務の事前通知)
第21条 第4条の規定は、死者情報を取り扱う事務を開始し、若しくは変更しようとする場合又は廃止した場合について準用する。この場合において、同条第1項中「個人情報を取り扱う事務(法第75条に基づく個人情報ファイル簿の作成及び公表の対象となる個人情報ファイル以外の保有個人情報を含む情報を保有する事務をいう。以下「個人情報取扱事務」という。)」とあるのは「死者情報を取り扱う事務(以下「死者情報取扱事務」という。)」と、同項第1号及び第2号中「個人情報取扱事務」とあるのは「死者情報取扱事務」と、同項第3号から第5号までの規定中「個人情報」とあるのは「死者情報」と、同項第6号中「個人情報に要配慮個人情報」とあるのは「死者情報に要配慮死者情報」と、同条第2項中「個人情報取扱事務」とあるのは「死者情報取扱事務」と読み替えるものとする。
第4章 雑則
(苦情処理)
第22条 実施機関は、実施機関における死者情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。
(市内の事業者等への支援)
第23条 市長は、個人情報の適正な取扱いを確保するため、市内の事業者及び市民に対する支援に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(説明及び資料提出)
第24条 市長は、法第14条の処理のために必要があると認めるときは、事業者その他の関係者に対し、説明又は資料の提出を求めることができる。
(助言及び勧告)
第25条 市長は、前条の規定による説明又は資料の提出の結果、事業者が行う個人情報の取扱いが不適正であると認めるときは、必要な限度において、当該事業者に対し、個人情報の適正な取扱いについて助言することができる。
2 市長は、前項の規定による助言をした場合において、事業者が行う個人情報の取扱いに改善が見られないと認めるときは、当該事業者に対し、当該取扱いの是正を勧告することができる。
3 市長は、必要に応じて前項の規定による勧告に係る事実に関する情報を市民に提供することができる。
(1) 放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む。) 報道の用に供する目的
(2) 著述を業として行う者 著述の用に供する目的
(3) 大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者 学術研究の用に供する目的
(4) 宗教団体 宗教活動(これに付随する活動を含む。)の用に供する目的
(5) 政治団体 政治活動(これに付随する活動を含む。)の用に供する目的
(審査会への諮問)
第27条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合において、個人情報及び死者情報(以下この条において「個人情報等」という。)の適正な取扱いを確保するため専門的な知見に基づく意見を聴くことが特に必要であると認めるときは、春日井市情報公開・個人情報等保護審査会に諮問(個人情報に係る諮問にあっては、法第129条に基づくものに限る。)することができる。
(1) この条例の規定を改正し、又は廃止しようとする場合
(2) 法第66条第1項及び第16条第1項の規定に基づき講ずる措置の基準を定めようとする場合
(3) 前2号に掲げる場合のほか、実施機関における個人情報等の取扱いに関する運用上の細則を定めようとする場合
(施行の状況の公表)
第28条 市長は、毎年度、実施機関におけるこの条例の施行の状況を公表するものとする。
(委任)
第29条 この条例の施行について必要な事項は、実施機関が定める。
第5章 罰則
第30条 実施機関の職員若しくは職員であった者、第16条第2項に規定する受託業務若しくは管理業務に従事している者若しくは従事していた者又は実施機関において死者情報の取扱いに従事している派遣労働者若しくは従事していた派遣労働者が、正当な理由がないのに、死者の秘密に属する事項が記録された保有死者情報を含む情報の集合物であって、一定の事務の目的を達成するために特定の保有死者情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、2年以下の懲役又は1,000,000円以下の罰金に処する。
第31条 前条に規定する者が、その業務に関して知り得た保有死者情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、1年以下の懲役又は500,000円以下の罰金に処する。
第32条 実施機関の職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で死者の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、1年以下の懲役又は500,000円以下の罰金に処する。
附則 抄
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 次に掲げる者に係る改正前の春日井市個人情報保護条例(以下「旧条例」という。)第10条の規定によるその業務に関して知り得た旧条例第2条第1号に規定する個人情報(以下「旧個人情報」という。)の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない義務については、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)後も、なお従前の例による。
(1) 施行日において現に旧条例第2条第4号に規定する実施機関(以下「旧実施機関」という。)の職員である者又は施行日前において旧実施機関の職員であった者のうち、施行日前において旧個人情報の取扱いに従事していた者
(2) 施行日において現に旧実施機関から旧個人情報の取扱いの委託を受けた業務に従事している者又は施行日前において旧実施機関から旧個人情報の取扱いの委託を受けた業務に従事していた者
(3) 施行日において現に旧実施機関が指定管理者に公の施設の管理を行わせている場合において、当該管理の業務における旧個人情報の取扱いに従事している者又は施行日前において旧実施機関が指定管理者に公の施設の管理を行わせていた場合において、当該管理の業務における旧個人情報の取扱いに従事していた者
3 施行日前に旧条例の規定による請求がされた場合における旧条例第2条第5号に規定する保有個人情報(以下「旧保有個人情報」という。)の開示、訂正及び利用停止については、なお従前の例による。
4 施行日前にされた旧条例に基づく決定又は旧保有個人情報の開示の請求その他の旧条例の規定に基づく請求に係る実施機関の不作為に係る審査請求については、なお従前の例による。
5 附則第2項各号に掲げる者が、正当な理由がないのに、施行日前において旧実施機関が保有していた個人の秘密に属する事項が記録された旧保有個人情報を含む情報の集合物であって、一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を施行日以後に提供したときは、2年以下の懲役又は1,000,000円以下の罰金に処する。
6 附則第2項各号に掲げる者が、その業務に関して知り得た施行日前において旧実施機関が保有していた旧保有個人情報を施行日以後に自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、1年以下の懲役又は500,000円以下の罰金に処する。
7 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則及び過料の適用については、なお従前の例による。